『養生指導を一方的に押し付けない』理由
『養生指導を一方的に押し付けない』理由
健氣堂河野鍼灸院では、『養生指導を一方的に押し付けない』としています。ここではその理由を書き記しておこうと思います。
※『一方的に押し付けない』だけでやる気・興味のある方は、施術の時にご質問いただければ答えられるものにはお答えできます。
まず、養生法を行うメリットとデメリットをご紹介します。
養生法のメリット
- 鍼灸施術の効果をより引き出すことができる
- 鍼灸施術の効果時間がより長く続く
- 何もしてない時に比べると、不調が起きにくくなる
- 何もしてない時に比べると、不調が起きても症状が軽くなる
- 何もしてない時に比べると、自分の体調を把握できるようになる
上記までの項目はあくまで『可能性がある』もので効果を保証するものではありません。
養生法のデメリット
- 自身でやらなければならないのでめんどくさい
- すぐには効果が出ない・実感できない(効果が分かるまでの目安は約80日)
- 続けてやらないと効果が続かない
- 「この養生法さえやっていれば大丈夫」という万能なものはない
また『健康』の意識の持ち方の差も気持ちに影響してくると思います。
このような『すれ違いは嫌ではありませんか?』
通常、鍼灸院では主訴(困ってる症状)の改善を目指して施術を行います。なので多くの鍼灸院では患者さんのいち早い改善のために養生法をお教えしていると思います。
しかし養生法が出来ない状況だったり、めんどくさいと思いやらなかった場合に、施術者は「改善する気持ちがあるのかな?」「せっかく教えたのに養生を実践してもらえなくて残念…」など思ってしまうこともあります。
またこの時に、患者さん側の「やる前提で話されて驚いている」「押し付けられているような気がする」「そこまで意識の高い健康は(今は)求めていない」などの気持ちも理解できます。
このような状態になると、双方の信頼関係を構築できず、むしろ欠くことになりかねません。
なので当院では、『養生指導を一方的に押し付けない』事としています。
それでも養生法をお勧めする理由
それは簡単で、『あなたの身体/精神はあなたのもの』だからです。
換えの無い唯一無二のあなたのものを出来る範囲でお手入れしてください。
『健康』とは何を目指すのか?
『健康』とは完全を求めると、とてつもなく厳しいように感じました。コーラもダメ、お菓子もダメ、甘いものもダメ…。我慢した結果、イライラ。「これが健康なのだろうか?」と思ったことが何度もありました。また自分で出来ないことを他人に勧めるのは気が進まないし、自分の好きな物を否定されるのも良い気分ではありません。
ある時にTwitterで見かけた漢方薬剤師の先生方の言葉を見て次の様に得心しました。
養生する理由(健康でいる意味)として、『楽しいと思える時を目一杯、楽しめるように日頃養生する』
人には多少なりとも「波」(=調子の良い時と悪い時)があります。それを完全に打ち消すのは無理かもしれません。しかし、波の振れ幅を穏やかにするのが養生の役割だと思います。
無理に我慢するのではなく、時にはコーラを飲んだり、甘いものを食べたり、一日中遊んだり…そんな日が送れるように。
時には養生も出来ないとスッパリ諦めてちょっとお休みする日もあって良いのではないでしょうか?
…というのが私見で、健康に関してはこと意識低めです。