これらの病気の共通点はなんでしょうか?
- 頭痛
- めまい
- 疲れ目
- 腰痛
- 五十肩
- パニック障害
- 抑うつ
- かみしめ・歯ぎしり
上記の症状は「首こり・肩こり」が伴うことが多いです。
じっとしていても首が重い、回すと痛みがある、頭がボーッとしてすっきしないなど、首・肩の症状は多くの人が持っている悩みです。
なぜ首・肩凝りになるのでしょうか?
原因のひとつに、現代人の姿勢が考えられます。
パソコンやスマホをやっているときに、顔を下向きにしていませんか?
その姿勢だと顎が前に出ていて、背中が丸まっている(猫背)、肩が前に出ている姿勢が、首・肩凝りを作る原因です。
顎が前に出ている状態では、ボーリングの球(4~6kg)ほどある頭を支えることができず、首の付け根に首の重さがかかることになり、首を取り巻く筋肉が緊張してしまい首凝りになります。
肩は両腕だけではなく、首の筋肉とも直接繋がっているため、首の凝りにともなって肩も緊張してしまいます。
首は頭ともつながっているので頭痛やめまい、疲れ目などを引き起こしてしまう要因にもなります。また首には脳に行く重要な神経や血管が通っているため、首凝りが慢性化してくると首から3センチ以上奥の筋肉まで凝ってしまいます。その影響でパニック障害や抑うつなどの精神疾患まで起こしてしまいます。
肩こりの発生メカニズム
肩こりの発生メカニズムはまだはっきりとは分かっていません。しかし疫学などから以下のことが分かっています。
- 不良姿勢
- 女性が多い
- VDT作業者に多い
- 眼精疲労や頭痛を合併する
今考えられている発生のメカニズムとして、
肩こりは筋緊張を起こしている時に自覚しやすいですが、『不良姿勢』(画面に対して前かがみ猫背など)による筋緊張が考えられます。
②ホルモンバランスの乱れや心理社会的ストレスが中枢である脳に影響して『自律神経のアンバランス(交感神経優位)』を起こして筋緊張を起こしてしまうと考えられています。
また、ホルモンバランスの乱れや心理社会的ストレスから労働上の負担感が増えてしまい、さらに不良姿勢を強くしてしまうこともあります。
②のように脳の不具合も関係していると研究で分かってきました。
※VDT…コンピュータのディスプレイなどの表示機器を総称して「Visual Display Terminal(VDT)」と呼びます。VDTを使用した作業を長時間続けたことにより、目や身体、心に支障をきたす病気を「VDT症候群」といいます。
つらい首のこりに鍼灸がおすすめな理由 -原因の深さに直接アプローチ可能!-
前述の姿勢でデスクワークをしていると、首凝りが慢性化して首の奥の筋肉が凝ってしまいます。長時間、細かな動きを繰り返すことで奥の筋肉(深層筋)に負担がかかります。普通のマッサージは表層の筋肉(アウターマッスル)を揉みほぐすことで血流を一時的に良くするのですが、奥にある深層筋(インナーマッスル)にある凝りには指が届かないため、根本にアプローチできません。
そこをピンポイントで届かせることができるのが鍼の長所です。つらい原因の箇所を探し出し、緩めていきます。
また首や肩の凝りは、筋緊張性頭痛と呼ばれるタイプの頭痛の原因にもなりえます。筋緊張性頭痛の特徴としては、『頭をぎゅーっと締め付けられるような痛み』です。
セルフケア
後頭部から背中の上部のあたりにクーラーなどの冷風を受けると冷えにより緊張しやすくなります。東洋医学的にも後頭部から背中周り「風」の文字が入った経穴(ツボ)があり、風邪(ふうじゃ)はそこから入るとされています。なので緊張がある場合や寒い風に当たる環境下にいた場合は、湯船にしっかり浸かったり、蒸しタオルなどを利用して温めると少し緩みます。
ただし、偏頭痛(血管の拍動とともにズキズキ痛む場合)は痛みが強くなってしまうため、控えた方がよいでしょう。
また仕事などでパソコンや日常でスマホを見ることが多い場合は、30分から1時間に1回くらいにゆっくり肩を回すなどのストレッチを行い緊張をほぐすのもよいでしょう。